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【四国お遍路の旅】12番札所焼山寺を超えて感じたことは自分自身の弱さでした。若い時にお遍路すべき理由

2015.07.03

四国88箇所の旅についてはいろいろと書いてきました。残念ながら、今回書かせてもらう12番札所焼山寺を登っている最中に一眼レフをなくしてしまい。お遍路中の写真が一枚もありません。

写真はイメージですが勘弁してください。

 

お遍路開始2日目の洗礼

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徳島の一番札所霊山寺を出発して、2日目の朝、昨日1日で10箇所もの札所を回ったことで”お遍路って結構余裕じゃない?”って高をくくっていました。

自転車で回っていたので、平地での移動はスイスイいくのですが問題は山の登り道。

11番札所藤井寺に行くと、次は最大のお遍路ころがしと呼ばれる焼山寺でした。

焼山寺への登り口に行く少し前、同じように自転車でお遍路をしている人と出会いました。
 

僕:お遍路さんですか?

お遍路さんA:そうです!今から焼山寺に登るので、少し寄り道して、ゆっくり行こうと思います。

僕:そうなんですね!やっぱり焼山寺って登るの大変ですか?

お遍路さんA:僕も自転車では初めてなのでわからないけど、山二つ越えないといけないよ!笑

僕:山ふたつ...ふたつ!!!!!!

お遍路さんA:若いのに頑張るね〜。気をつけてね!
 
 

そんな会話をして、お遍路最大の難関への恐怖が高まる中、ぼちぼちと坂を登り始めました。

ケータイも何も持たない僕にとって丸腰で山へ挑むのは結構ビビリながら、ずんずん登って行きました。

途中のえげつない勾配のところからチャリを降りて、押して上がることにして、うんしょうんしょと約30キロ近い荷物と自転車を押して登るのはどう考えても普通の荷物背負って歩くよりもきつく。自転車遍路の厳しさを知ることになりました。

一つ目の峠、梨の木峠を登りきり、ふっと一息ついて、写真を撮ろうと一眼を鞄から出そうとしたら、

なっない!!!汗汗

なんとあるはずのカメラがどこにもなかったのです。

僕の頭はパニック状態。

どこで落としたのか、いや落としてたら音で気付くはずだし、でも自転車止めた記憶もないから盗られたこともないだろうし。。。

ケータイのない自分には最大の試練だったかもしれません。
 

この峠を約3時間かけて登ってきて、それを降りてまた登ってくる自信も気力も僕にはありませんでした。

これがお遍路の道中で課せられた僕への一つ目の試練だと思い。次へ進むことにしました。

今になって思うのですが、あそこであるかどうかもわからないカメラを取りに坂を降りていたら僕はお遍路を全部回ることはできなかったでしょう。

モノなんてそんなものだと教えられる瞬間でした。
 

長い長い、長すぎる焼山寺への道のり

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峠を超えて、次に焼山寺へ進む道はとても細い下り坂。

荷物を積んだ自転車はみるみるスピードをあげて、最大50キロくらいのスピードが出ていたでしょうか。

途中で水がちょろちょろ流れたところで思い自転車がスリップし、横転。

しかし、大きな荷物のおかげで無傷ですみました。ほっと一息つくまに開けた集落へ着きました。

その集落は川沿いに進む道と、山へ登っていくふたつの道があり、当然僕の進む道は山へ登る道でした。

水もだいぶそこが付いていましたが、途中に水飲み場の休憩所があるということが地図に載っていたので、それを信じて、進むことにしました。

その道は今でも忘れられないくらいハードで、苦しい道でした。

延々とくねくねした道を登っていく。自転車を漕いで登れるレベルの坂じゃないのでずっと荷物を載せた自転車を押して登るのは本当に本当に精神的にも体力的にも辛いものでした。

途中、水がなくなり、ゴールの見えない坂を登っていく時に目の前に人影が見えたので、声をかけるとそれは人ではなく人っぽい形をした木でした。

幻想を見たのは人生でもこの時だけです。

怖くなった僕は最後の最後の力を振り絞り、坂を駆け上がりました。

多分相当叫んでいたと思います。

”うおおおおおおおおお!”とか”おりゃあああああああ”とか。


人って本当に死を感じた時には、限界だと思っている感覚をはるかに超えるパワーが出せるのだとその時肌で感じました。

 

自転車を置いての山登り、そして焼山寺

やっとのことで水飲み場である柳水庵という休憩所に到着すると、歩き遍路道を通ってきたお遍路さんが4、5人いて、本当に涙が出るほど嬉しかったことを覚えています。

水瓶に顔をぶち込み、がぶがぶ水を飲むと、自転車を置いて、次は歩き遍路道で向かうことにしました。

お遍路を始めて、初の歩き遍路道。

どんな道が出てくるかと思いきや。一昨日前に降った雨の残りがまだ残っていて、地面はぐちゅぐちゅ。足を取られながら、やや走り気味でずんずん登って行きました。

自転車で使う筋肉と歩きは違うので序盤はとても楽勝にひょいひょい登って行ったのですが、道なき道を進んだり、岩の間を川が流れているような道を進んだり、途中で豪雨が降った時にはもう帰れないと覚悟しました。

でも、無事に納経をできるギリギリの16時(納経は基本 7時〜17時)に到着し、納経を済ませることができました。

これまでの1番札所〜11番札所では正直なところ、適当なお経の読み方、心のこもっていない納経をしていました。

でも、この焼山寺を超えた時、本当に心から”生きててよかった””生かしてくれてありがとう”みたいな気持ちで1時間ほどじっくり時間をかけて納経をすることができました。

帰りの道でも、豪雨は止まず、途中にあるお堂の縁側下に身を隠して死にたくない、死にたくないと思いながらお経を唱えました。

 

人間って脆いからこそ、何かの助けを借りたいんだ

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僕はお遍路を全て回ったことよりも、この焼山寺で感じたことが全てだなと思えます。

正直この後の札所はここに比べたら普通でした。

僕はこのお遍路を通して、焼山寺への道のりを通して、自分自身の弱さを知りました。

めちゃくちゃビビりで、心配性で、カッコつけたがりの自分と出会いました。

そんな自分を認めようとしない自分にも出会いました。

本当に人間って脆いなって思いました。

脆くて脆くて、今にも崩れそうだけど、それをなんとか保っている何かがあるだけなんだと感じました。

だからこそ、自分を守るために人を傷つけたり、自分を守るために自分に嘘をついたりするんだと思いました。

それが普通なんだと思います。

でも、本当にそのままだと勿体無いってことに気づく時がいずれ来るんだと思います。

僕にとってそれはこの焼山寺への道のりだったのかもしれません。

あなたがもし、今、自分自身に嘘をついていたり、他人に優しくできないなって感じた時。ふらっとお遍路の旅へ出るのもいいかもしれません。

きっと何か今までに感じなかったことを感じることができるでしょう。

まずは本から始めてみてもいいですね。

 

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矢野 大地 (やの だいち)


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